…要
 
「わかったよ。お前の言う通り
留学する。女のお前に言わせて
悪かったな」
 
要に言われて正直、複雑だった
いつ帰れるかわからないけど
留学するとなれば要に待っててほしい
 
待ってろって言えば要はずっと
待ってるだろう
 
けど、高校生活はきっと人生で
一番の思い出になるはず
 
それを俺は側に居てやれないのに胡桃の様に縛ることをしたくない
それなら…
 
「それ食ったら送る」
 
「…はい」
 
俺達は今までの時間を埋めるようにいろいろな話をした
まるで彼氏彼女のように…
 
 
 
 
「遅くなったけど、明日ちゃんと
学校来いよ」
 
「はい」
 
「それと、俺しばらくしたら学校
あんま来れねーと思うから」
 
「え、何でですか?」
 
「留学するとなると卒業まで時間がない。親父の連れの店で勉強
させてもらうつもりなんだ。
…だから…」
 
お前に会えなくても
さみしくない様に…
 
「…充電」
 
 
 
 
どちらともなく唇を合わせた