拗ねるレベルじゃねーよ
激怒だよ激怒
 
姉貴がソローっと俺の様子を伺う
 
「テメーは一番邪魔しちゃいけねーとこで邪魔したんだよ」
 
ドスの効いた声で言うと二人揃ってビクついた
 
「ぎゃっ、
先輩すっごい怒ってる」
 
「か、要ちゃん何とか言ってー。敦郎って一度怒ると一ヶ月は口聞いてくれないんだもん」
 
「え、そうなんですか?
 
 
敦郎先輩…」
 
いくら怒ってても要には弱いな
 
「何?」
 
だから満面の笑みで答える
 
「なぁんだ、敦郎怒ってないんだ。良かった」
 
「テメーに笑ってんじゃねーんだよ、勘違いすんなバカ」
 
「要ちゃーん…」
 
半泣きになりながら要に
助けを求めんなよ
 
「せ、先輩さっき話したじゃないですか。お互い十分だって、だからそんなに怒らないで下さいよ」
 
「…わかったよ」
 
要の頭を撫でながら…
 
「今回だけだからな、要に感謝しろ」