「要、テスト勉強どぉ?」
 
「それがね、期待できそうなんだよね」
 
「エスパー教えるの上手いんだっけ。いぃなぁ、イケメンに教えてもらえて」
 
「亜子だって駿くんに教えてもらってるんでしょ?」
 
「そぉだけど、やっぱり二人きりだとね…。勉強に手がつかないって言うか。駿ちゃんも健全な高校生だから。要達はそーゆー雰囲気にならないの?」
 
「そーゆー雰囲気も何も、あたし達付き合ってないんだよ。それに未だ名前も知らないし、普段エスパー無口だし」
 
「…あんたさ、いい加減名前くらい聞きなさいよ」
 
「今さら何て聞けばいいか…」
 
「今さらだけど、あなたの名前は何?でいいじゃん」
 
「それって急すぎない?何か前フリがほしいよ」
 
「わがままねぇ」
 
図書室で亜子と喋っていると窓の外にいつかの大群がぞろぞろと歩いていた