「…うん。いつまでも引きずる
わけにはいかないよ。あたしも
前に進まなきゃ」
 
あたしの中で佐々木先輩とっくに過去の人になっていた…
 
そう思えたのはエスパーの存在があったからなのかもしれない…
 
「次に恋をする時は上辺だけじゃなくてその人の中身もちゃんと知って好きになるの。だからもし、またフラれたとしてもいい恋をしたって自信を持って自分に言える」
 
「お前が佐々木先輩を上っ面しか見てなかったなんて誰も思わねーよ。それに…もし、これからもフラれ続けたら…最後には俺がもらってやるから安心しろ」
 
恵介はあたしの頭に手を置いて
そう言った
 
「あんた、千花ちゃんがいるのに何言ってんの。しかもフラれ続けたらって失礼ねっ」
 
「最後にはって言っただろ。そんな先まで千花と続いてるとは限んねーだろーが。じゃあ俺帰って寝るわ。こんな時間に呼び出して悪かった」
 
「…いいよ。まだ寝てなかったし。じゃあね、おやすみ」
 
「おう」
 
恵介もあたしもそれぞれの想いを胸に
家に入っていった