「放して下さいっ」
 
篠原先輩の手を振りほどいた
 
「あんた、アツに何言ったわけ?アツの将来を潰す気?」
 
すごい剣幕でまくし立てるように喋る篠原先輩に対してあたしは言ってる意味が理解できないでいる
 
「敦郎先輩の将来を潰すって何ですか?あたし何も知りません」
 
「嘘言わないでっ。あんたが関係してないわけないでしょ。あたしからアツを奪おうとしてる上にアツの将来までダメにするなんて何て女なの」
 
敦郎先輩との今までを振り返っても思い当たる節がない
 
「待って、わかるように話して
下さい」
 
その言葉に少し落ち着きながら
話し出した
 
「アツは高校卒業したら料理の
勉強をするために海外へ行くはずだったの。それはずっと前から決めてた事だった。留学先も決まってたのに全部取り消して大学に進学するって…。理由を聞いたって教師になりたいとしか教えてくれないし…絶対あんたが何か言ったんでしょ」