「ありがと、伊原くん」
 
「良いってコトよ。それより、
頑張ろうぜ」
 
誘導係りについて行きそれぞれの
スタート地点へ
 
「ずいぶん、水沢って子と仲いいんだね。あ、付き合ってるからだっけ?」
 
不意に言われて隣を見ると
篠原先輩がいた
 
 
…嘘
一緒に走るの?
 
「それと、アツがあなたのコト
気にかけてるみたいだけど自分に気があるかも何て思わないでね」
 
沢山言い返したいのに出てきた
言葉は…
 
「…わかってます」
 
それだけだった
 
 
「要ー、頑張ってよー」
 
そんな声が聞こえて顔を
上げると伊原くんが走っている
 
ヤバイ、全く気付かなかった