「しかも、エスパーさんのおかげで、いい点が取れそうなんです」
 
「…それは、それは」
 
「はい。1575円です。料理好きなんですか?」
 
エスパーが買った本はまたしても料理本
 
「…ん。まぁね」
 
そう言って商品を受け取り出口に足を進める途中
 
「…点数」
 
「はい?」
 
「点数良かったら、ご褒美やる…。だから頑張れ…」
 
エスパーからの意外な申し出に顔がニヤけた
そしてご褒美と言う言葉に吊られて今までにないくらいヤル気が出たのだった
 
 
 
バイトが終わり家に帰ると、
恵介の家の前に人影が二つ…
 
恵介と…女の子だ
…千花ちゃんかな
 
実を言うと、あたし千花ちゃんに会ったことがない
何度か恵介にどんな子か会わせてほしいとお願いしたが理由を付けて断られていた
 
同じ中学にいても1つ下の学年の子達とは交流がないし、同じ学年でも話したことがない子もいるくらいだから尚更