「いっぱい食べたねー」
 
「お腹いっぱい」
 
一通り見て回ってから教室に
戻った
 
「ただいまー。休憩ありがとね」
 
「水沢くん、交代するから
回って来なよ」
 
水沢くんの元へ行って声を
掛けるけど…
 
「いいよ、俺いなきゃまわんないし」
 
相も変わらず慣れた手つきでタコをひっくり返している
 
「じゃあ、要。あたしまたビラを配り行ってくんね」
 
「いってらっしゃい」
 
大量のビラを持って亜子が
教室から出て行った
 
「けど…」
 
休憩もしないで…
 
そうだ
 
「じゃあコレ食べて?」
 
あたしはビニール袋を差し出した
 
「何、コレ」
 
「パンケーキ買ったの。お腹空いたら食べようと思って」
 
「間宮さんが食べる用ならいいよ。悪いし」
 
「何言ってるの。休憩もしないで水分しか取ってないんでしょ?倒れたら困るから食べて」
 
口をへの字に曲げて再度、
ビニール袋を突き出す