桜井先輩の所ってことは…
 
「アツがメインで料理作ってるんだよ。そのお陰か大盛況でね、待ち時間まで出ちゃって。でも二人が来るなら特別に待ち無しで入れてあげるよ。間宮、お前が来ればアツも喜ぶんだけど?」
 
桜井先輩の話を聞いて亜子がジッとあたしを見る
 
「…せっかくですけど、あたし達今日忙しいんで。これ、ウチのビラです。配る物が無ければこれ配って下さい」
 
自分が持っている大量のビラを
少し先輩に渡した
 
「…要…」
 
「負けてられないですからね。
先輩も空き時間にウチのたこ焼き食べに来て下さい。それじゃ…」
 
「そう言えば…。最近、アツの
無愛想ぶりに一層磨きがかかったんだけど間宮、何か言った?」
 
真顔で問いかける桜井先輩
 
「………」
 
落ち着け、あたし
あたしが言ったからじゃない
きっと彼女とケンカでもしたからに違いない
 
「敦郎先輩があたしに言った様に、あたしも先輩にサヨナラを言ったんです。けど、それは関係ないと思いますよ」
 
ニッコリ笑って言った
 
すると、桜井先輩も少しだけ笑って
 
「…そっか。時間みつけて、たこ焼き食べに行くよ」
 
そう言った