病室を出ると、すぐさま中に入る親父さん
 
「胡桃、足の傷キレイに治してもらおうな」
 
ドアが開いたままになっている
 
 
俺は背を向けたまま…
胡桃を見れないでいた
 
そして、胡桃が次に言う言葉も
わかっている
 
「それはイヤ。これはあたしに
とって大事な傷なの」
 
 
…俺に向かって言ってるように聞こえた
 
 
 
『この傷がある限り、アツはあたしのそばにいてくれる』
 
 
「何をバカな事言ってるんだ、
お前は。女の子がこんな大きな傷を付けたままでどーするっ」