「…悪いけど、俺は好きじゃないから」
 
そう、好きでもない奴となんか
ごめんだ
 
何事も無かったかのように教室に戻るとドア付近で女子が3~4人立ち話をしている
 
…同じクラスの女子じゃないな
 
邪魔なんだけど…
 
隣を通って教室に入ろうとした時またあの匂いがした
 
慌てて振り返り探すと女子の中に一人だけ違う子がいる
 
 
あの子だ…
 
 
俺はその子の腕を掴んで咄嗟に
 
「…香水」
 
その子は目を見開いて俺を見ている
 
けどすぐに笑って
 
「LOVEphantomって言うんだよ」
 
「ラブ…ファントム」
 
彼女は手を差し出して自己紹介した
 
「あたし、篠原胡桃。よろしくね」
 
彼女の手を握り
 
「…山下敦郎」
 
 
胡桃との出逢いだった