俺は3組か…
 
クラス分けのボードを見ていると隣から声をかけられた
 
「君も3組?俺も。よろしくね、桜井海里だよ」
 
「…あぁ、山下敦郎」
 
「敦郎か、アツって呼んでいい?
アツさぁ、かなりモテるでしょ」
 
…まだ了承してないのに
 
それにしても人懐っこい笑顔だな
 
「そんな事は…」
 
「だって周りの子達、俺らの事見てるよ。同じクラスになった女の子はラッキーだね」
 
コイツ、まさか…
 
「お前は自分でモテるって
思ってるわけ?」
 
海里はさらに笑って
「もちろん」と言った
 
「アツはあんまり喋らない子なんだね。それがまた女の子にとってはいいのかも。彼女はいるの?」
 
よく喋るな…
 
「お前は?」
 
「まだいないよ。これから作る予定」
 
何だ、それ
 
「…あそ」
 
「アツは?」
 
「俺もいない」
 
「じゃあ、どっちが先にできるか競争しよ」
 
「…やだよ。めんどい」