「いいんだ。それでも俺はお前のそばにいたい」
布団から出てあたしを
抱きしめる恵介
「ずっと忘れられないって言うなら俺が一生かけて忘れさせてやる。…楽にしてやる」
…この手を取れば楽になる?
恵介といれば先輩の事も無かったかのように忘れられるのかな…
『…あんた…バカ?』
『…これ、俺が作った』
『…要なら大歓迎』
『要とならバカな事もやりたいって思えるんだ』
『充電させて』
『…俺は残念だったよ』
…ううん
何も無かった事になんてできない
だって、こんなにも
先輩でいっぱい
あたしは恵介を引き離し
「…ごめん、恵介。気持ちは嬉しいけど、先輩を忘れるなんて無理だよ」