…誰か頭撫でてくれてる?
すごい気持ちいい
このままずっと寝てたい気分…
 
 
(……ごめ…な、かな…)
 
声がする…この声は…
 
「待ってっ」
 
あたしは起き上がるのと同時に
隣にいた人の腕を掴んだ
 
その人は帰ろうとしていたのか
あたしに背を向けている
 
「待って、…敦郎先輩」
 
「…委員会の途中で倒れたんだ。
…もう少し寝とけ」
 
 
…先輩が保健室まで
連れて来てくれたの?
 
「お願い、もう少しだけ…そばにいて」
 
先輩は何も言わずベッドに
腰を下ろした
 
それを見たあたしは嬉しくて…
先輩の背中で声を殺して泣いた
 
あたしの顔は涙で
ぐちゃぐちゃだ…