「…ごめん、要。やっぱり
我慢できない」
亜子がボソッと言うと体を
反対方向へ向けて歩き出した
たどり着く先は敦郎先輩
先輩の肩を掴んで向き直らせる
「なぁに?この女」
その瞬間
パシーン
頬を叩いた音が聞こえた
「ちょっと何なのよぉ、いきなり。
アツぅ大丈夫?」
「こんなの、あの子の痛みに比べたら何でもないでしょ。ちょっと顔がイイからって調子に乗るなっ」
…亜子
「行こう、要」
敦郎先輩はあたしが近くにいることに気付いてるはずなに、それでもあたしを見ようとはしなかった…
先輩とのあの数ヶ月は
何だったんだろう
まるでシンデレラだ…
いや、シンデレラは最後にガラスの靴を持って王子様が迎えに来たけどあたしに待ってるのはハッピーエンドじゃない