「…要?」
「ずっとまともにご飯食べて
なかったからさ…、寝ても覚めてもあの言葉が頭から離れないの。だからちゃんと寝ることもできないし…。重症だわ、あたし。だから、今は誰かと一緒にいたいの」
「今日泊まりに行っていい?」
「うん、亜子がいたら寝れそうな気がする」
あたし達は購買へ向かった
するとどこへ行っても敦郎先輩と彼女の話で持ちきり
耳を塞ぎたくなる…
「やだ、噂をすればだよ」
後ろの方からそんな声が聞こえた
顔を上げると敦郎先輩…
と噂の彼女
先輩と腕を組んで歩いてるその顔はどこか見覚えがあった
…どこだっけ、
どこかで見た覚えが
考えてるうちに二人の姿が
目の前に
涙が滲んで先輩の顔が
よく見えない
「ねぇアツぅ、どれが人気なの?」
ブリブリの甘ったるい声だけが耳に届いた
すれ違っても先輩はあたしの方を見向きもしない