機嫌が悪くなるほど
我慢してたんだ
 
悪いことしたな…
 
あたしは恵介と顔を合わせて
 
「そんなに我慢してたなんて…。
本当にごめんね」
 
そう言った瞬間、恵介の顔が赤くなった
 
「べっ、別に怒ってねーよ。
さっさと食おうぜ。
腹減って死にそ」
 
ホッ
 
よかった、いつもの恵介に戻った
 
「さ、食べよう」
 
振り返ると三人があたしと
恵介を見て止まっていた
 
「何?三人共、固まって」
 
「ううん、食べよ」
 
 
 
「とんでもないライバルだな
アツ」
 
「…ライバルの内に入るかよ」
 
「あれはきっと手強いぞぉ」
 
「黙って食べろ」
 
敦郎先輩と桜井先輩の会話なんて声が小さすぎて聞こえるはずも
なかった