このまま気持ちを言いたい…
 
言ってもいいかな…
 
「敦郎先輩…あたし…先輩のこと
 
「…そろそろ戻ろうか」
 
 
 
「え?あ、…はい」
 
何か遮られた?
 
それとも聞こえなかった?
 
今日言えなくても、言う機会は
いくらでもあるからいっか…
 
 
「…悪い、遅くなって」
 
「ごめんね、亜子」
 
「気にしないで。それより恵介が機嫌悪くて困り果ててたの」
 
あ、恵介もトイレ行きたいって
言ってたっけ
 
「ごめんね、恵介。
行ってきていいよ」
 
「…引っ込んだからいい」
 
無愛想に応える恵介
 
「引っ込んだなんて汚い」
 
その恵介を見ながら呆れ気味に
言う亜子
 
恵介は肘をついてそっぽ見たまま
こっちを見ようとしない