一瞬、恵介が驚いた顔をした
けど、すぐに眉間にシワを寄せ口を開いた
 
「…辛かったな」
 


「…は?恵介…大丈夫?」

「…あぁ?」
 
まさか恵介に慰めの言葉を掛けてもらうなんて思ってもいなかった
 
「いや、つい…。いつもの恵介なら絶対『フラれたんだ、だっせー』とか言うと思ったから」
 
「お前なぁ。俺をどんな奴だと思ってるわけ」
 
「口が悪くて、人の不幸を喜ぶ…「おいっ」
 
「嘘。…嘘じゃないけど、いつも人の心配ばかりする優しい…」

そう言った瞬間
 
…ギシッ
 
恵介が片手をついてベッドに上がってきた
 
暗い部屋に月の光が入って恵介の顔がはっきり見える
 
 
ななな何、この雰囲気っ
 
慌てて後ずさりするも背中は壁にピッタリ…なおも真面目な顔で近づいてくる恵介