そう言って、あたしに背を向けながら歩いて行く人は明るい栗色のサラサラな髪の毛とスラッと長い手足
 
 
昨日も見られてたなんて…
 
てゆーより昨日、あたしがここに来たのは夕方…今はまだHR前…ここに
寝泊まり?
 
…まさかね
 
戻って亜子に聞いてみよ
 
「もぉー、要。なかなか戻らないから心配したよ。メールしても返信ないし」
 
「あ、ごめん。全く気付かなかった。何か屋上でいろいろ思い返してたんだ…。
そしたら、あたしは先輩のこと何も知らなかったんだなぁって思った。
気持ちだけが大きくなりすぎて先輩を知ろうとしなかった…。
フラれたのはショックだけど、
…仕方ないよね」
 
「…要。でもあたしはわかってるから。要の先輩へ好きだった気持ち。それにいい勉強になったんじゃない?好きになる前に相手を知れってね」