「でさ、俺の用事なんだけど」
その言葉とともに彼が差し出したのは、白い封筒。
「今度小さいけど結婚パーティするんだ。もしよかったら、来てくれる?」
「結婚パーティ……」
「日程がどうしても急になっちゃうんだけど、彼女もようやく安定期入って、あんまり遅くなるとお腹大きくなっちゃうからって」
封筒を受け取り中を見ると、それは半月後の日付の結婚パーティの招待状。まじまじと見ながら話を聞く私に、彼は少し照れ臭そうに笑う。
「来て、もらえるかな」
「……はいっ、もちろんです」
普通なら、つい先日『好きでした』と告白した人を誘うなんてできないだろうし、私だって『無神経だ』と落ち込むかもしれない。
けど、嬉しい。幸せそうな広瀬先輩の姿は、私にとっても幸せだから。
距離をおかれたりしたらそれこそ告白したことを後悔してしまう。こうして遠慮なく、誘って貰えてよかった。
「当日、受付とかなにかすることあれば言ってくださいね!なんでもやりますから」
「じゃあ余興で一発芸でも頼もうかな」
「え!?それは、ちょっと……」
「あはは、冗談」
こうして彼と笑えるのも、きっと内海さんがいたからなんだよ。