「大丈夫か?」

「んっ…」

ゆずは、そっと起き上がる。
目をこらして、上を見上げれば、星が輝く綺麗な夜空が。
そして、自分の横に座る少年。
きょとんとした顔で、自分を見ている。

「だ、誰っ!?」

「オレか?オレは、フェディス!」

元気に言う少年。

「フェディス…?外人さんなの?」

顔も美形で、髪の毛は茶。
日本でフェディスという名前は珍しい。

「外人?なんだそれ?オレは、運命界の住人だぞ!」

「運命界!?なにそれっ!?大丈夫?ここ、日本だよ?」

「日本?ここは、運命界だぞ?」

「運命界!?」

ゆずは、自分の寝ていた所に気付く。
芝生のような、原っぱのような、草が生えている場所。

あれ?わたし、こんな所にどうして…?