「あ、そろそろ行かなきゃ。」 「もう出んの?」 「うん。さくら送るから。」 「あっそ。」 奏はそっけなくそう言って、テレビに目を向けてしまった。 ちょっとだけ…… 車乗せてくれるかな……って期待したけど。 もういいもん! 奏に優しさなんて期待しないんだから! 奏が食べ終わったらすぐに食器をキッチンに届け、 さくらを連れて家を出た。