「奏!離してよ。

ていうかなんでここにいんの!?」


奏は私の腕を掴んだまま言った。



「テメー、なんでファミレスなんかでバイトしてんだよ。」



こ、怖……



今までで一番低い声で私に詰め寄る。




「おじさんに……生活費とか払ってもらうの……申し訳なくて……」



「ハァ……」



奏は呆れたようにため息をついた。



「親父も言ってただろ。

他人行儀になるな、って。

いい、って親父が言ってんだから甘えろよ。」



「…………。」