白髪交じりの震える頭が、私の胸に押しつけられて、私の心臓も震えた。
「またいつでもおいで。この婆が生きているうちに、いっぱいいっぱい訪ねてきておくれ、私のかわいいかわいい、孫娘のような凛よ」
痛いくらいの想いが直接胸に響き渡る。
セツ婆の言葉と必死な息のかかる胸が熱い。
胸にため込まれた想いが一気にふきだした。
「セツ婆……!」
私はかすれた声で叫び、小さなセツ婆にきつくきつく腕を回した。
前も見えないほど涙がふきだしてセツ婆の背中をいっぱい濡らす。
素直な気持ちが溢れ出る。
「絶対絶対、すぐにでもまた来ます! 絶対、会いに来ます」
私の本当に言いたかった言葉。
そう、お別れなんて言いたくなかった。
ぽろぽろと涙をこぼす私を見上げたセツ婆が、にっこりと愛らしく笑いかける。
セツ婆ありがとう、胸の中でそう言って、私は泣きながら笑う。