抑え気味の声で病室に入ってきたのは

「莉緒!それに秋斗!」

その二人だった。秋斗と莉緒は麻希の足元の所に立ち、

「…ごめんなさい。私…秋斗が好きで、貴女のお姉さんに散々嫌がらせして…
秋斗と付き合っているのは…最低な事だとわかっています。
許してとは言いません。でも…本当に…ごめんなさい。」

莉緒は涙を堪えながら、麻希に謝っていた。
麻希は、ハァ…とため息を付き

「お姉ちゃんと今は仲良くしてくれているのに、昔の事掘り出してどーすんの?
別に私には関係無いし、秋斗と幸せになれたんなら良いんじゃないの?」

麻希は顔を逸らし、そう言った。
莉緒は涙がボロボロと落ちてきて、秋斗は莉緒の背中をさすっていた。
ごめんなさい。ごめんなさい。と莉緒は何度も言っていた。

「ねえ、莉緒。私ね感謝しているんだ。莉緒に。
だって莉緒に出会わなければ拓と出会えていないでしょ?
…だから…ありがとう。」

これは…本心。私の事を優先して考えてくれる彼。
拓こそが私の愛する彼なのだから。


これから先も…ずっと一緒に人生を歩んでいこうね。拓

ああ。もちろん。麻実とずっと一緒に…。