私は麻実に謝るのだ。
そう簡単には許される事では無いのだ。
殴られても、どうなっても仕方ない程に。
許されなくたって良い。

「…。ねえ。こんな所に呼び出して何の用？」

麻実の冷たい声。何があっても許さない。そう言っているように思える。
でも言うしかない。

「今まで、悪い事したわ。貴方の父を使って貴方の家族を崩壊させ、貴方の人生をぶち壊して…。本当にごめんなさい。私は罪を償うわ。」

「そう。…ありがとう。貴方が…貴方自身で償う事を決めてくれて。」

こんな時に言うのは馬鹿かもしれない。
ただの我儘だ。でも…貴方を愛しているから。

「麻実。私のお願い聞いて。
私は本当に秋斗を愛していたわ。弱み握って脅しもしていたけど…。誰にも負けないくらい大好きだった。…でもね？私じゃ幸せに出来ないの。秋斗の幸せは…貴方なの。
だから…秋斗を恨まないで。秋斗から離れないで。幸せを…壊さないで。
付き合えとは言わない。親友でいてあげて。」

「…分かった。私からの命令。
…私と友達になって。
それが…貴方の償いよ。」