それから秋斗は毎日の様に孤児院に来るようになった。
来る度に私の事を笑わせようと必死なのがすぐ分かる。
だけど、私を笑わせようとしている秋斗は可愛くて…私は

「ふふっ…」

と初めて笑った。この時私は自分が笑っていたなんて知らなかった。
その後の秋斗の言葉でやっと気づいたのだ。

「やっと笑ったじゃん。」

その時に初めて気づいたのだ。

私は今笑ったのだ…と
笑えたのだ…と。

そして…もう一つの事に気づいた。

「じゃあ…今日は帰る!またな!」

「え…っ…」

彼方と少しでも長く一緒に居たい気持ち。
彼方の事を好きという気持ち。