私は孤児院で育ったの。その為、実の親も知らず生きてきた。
私には“楽しい”とか“嬉しい”って事がどんな事か…全く分からなかった。
笑顔な人達を見ていつも思った。

“どうして笑顔になれるの?ねえ…”

そんなの心で思っていることで言葉にはしていない。
どうせ…私を変なモノを見たような目で私を見つめるんでしょ?
そんな事を思っていた時に…貴方と出会ったのだ。

「何思いつめた顔しているんだ?」

私が座っていたベンチの隣に座って来たのだ。