「ああ。そうだよ。俺が殴った。」

秋斗のその言葉に驚いたのは私だけじゃないはず。
花音も…驚いただろう。私に叩かれたはずなのに…秋斗が殴ったって事になっているんだから。何を考えているのよ…。秋斗。

そのまま花音と拓は帰った。私は

「さっきの何よ。何で秋斗は私を庇ったの?惨めになるんだけど。」

「莉緒を庇ったわけじゃない。勘違いするな。俺の彼女って噂あるのに、こんな事してるの知られたら俺が嫌なだけだ。」

そんなの知っている。私は…どんな理由であろうと私を庇ってくれた事が何よりも嬉しい。
私は目が覚めた気がした。
私は今までどれだけ罪を重ねてきたんだろう。
被害者にも悪いと思いながらも秋斗を手に入れるために…どれだけ…罪を…。
その罪は私だけじゃない。秋斗にも背負わせていたんだ。
ああ。何てバカな事をしていたんだろう。
あの時…誓ったのに…


次は私が貴方を守って見せる!

って…。間違った道を歩み過ぎたかな。
守る所か また守られたじゃん。
次こそ…貴方を苦しめない方法で…貴方を守って見せるから。