今こそ今日あった事を秋斗に言うチャンスじゃないかしら…
私は鼻をすすりながら泣いて…

「あ…こんな所…莉緒さんに見られたら…また怒られちゃうわ。」

と言って私の頭の上にあった秋斗の手をよける。
すると今の言葉に反応したのだ。

「…!莉緒が…何て!?」

「わ、私の彼氏に近づくな!って首を絞められまして…」

ふふ。嘘を言っちゃった♪まあ言葉はあっているから良いわよね。
その私の半分嘘の言葉を全て信じたのか…
秋斗の手は随分と力が入っていた。
怒っているわね…ふふ。

「莉緒とは付き合っていないし、好きでもありません。」

「そうなの?」

まあ…今の私は
秋斗が誰と付き合っていようが関係ない。離してあげるだけ。
すると…バァン!と乱暴にドアが開く音が聞こえた。
あ…此処…拓の家の前だった。今は一緒に住んでいるけど。
もちろん家から出てきたのは…

「花音!何やってんだ!」

「あ!拓!ただいま!」

すると拓は私を抱きしめてきた。
私は身動きが出来ない状態。

「何でコイツと一緒に帰って来てんだよ!心配した!」

「大丈夫よ。拓…私子供じゃないのよ?」


こんなにベッタリするのも演技。
私に近づいた罰よ。殺そうとしたくせに生意気よ。
まあ言えないけど。

「じゃあまた明日。」

そう言って秋斗と別れた。