私は、ゆっくり…ゆっくり…一歩ずつ莉緒に近づく。
莉緒は『な、何よ。』と言いながら後ろに後ろに…
ついに白い柵に莉緒の背中がぶつかる。
柵の向こうに見えるのは、誰もいないグラウンド
私は、お化けでも見たかのような真っ青な顔をした莉緒に顔を近づけ…

「調子に乗らない事ね…貴方が調子に乗るほど絶望の世界が待っているの。
そういえば私の友達の麻実…貴方に殺されたの。」

莉緒は真っ青だけじゃなく唇が震えていた。
どうやら覚えていたようだ。

「違う…殺していない…!あの時は麻実が勝手に!」



「殺人鬼と言う仮面が剥がされたくなかったら…余計なこと言わない事ね。」