麻実の父は冷や汗かいていた。手で拭いながら…

「麻実には言わないでくれ…」

「いつかはバレることです。」

麻実にはなるべく言いたくない。
だけど…お前を殺そうとした人だ。
ん?あのカフェの前を通って行ったのは…

「麻実…」

車椅子に座ってる麻実が見えた。
後ろで麻実が乗った車椅子を押していたのは…

「莉緒…ッ!」

莉緒と言うのは同じクラスの女。
あいつは人間じゃない。

あいつは俺が他の女と話すと…莉緒が怒って

“私の秋斗に色目使わないでよ!次こんな事したらタダじゃおかないんだから!”

俺と話していただけの女は転校した。
怖い奴で、俺の黒歴史。

「さーせん。ちょっと用事できたんで。
また今度話しましょうか。」

俺はテーブルに置いていたブレスレットを鞄にしまい
急いで麻実を追いかける。
麻実と莉緒は公園にいた。間違いない。
莉緒は麻実を殺そうとしている。

「麻実!」

叫んでも無駄だった。
麻実と車椅子は池に落ちた。
助けようとすると…

「秋斗。この人助けたら…あんたの過去をバラすわよ!」

…ッ!何でそのことを…!
ダメだ。これだけは言われたくない。
ごめんな。

「じゃあな。麻実。」

俺は自分の過去を守ることを選んだ。
それが俺の選んだ道。