「…知りたい。」

「分かった…」

秋斗は大きく息を吸って、意を決したようだ。
早く聞きたい。私の家族を壊したのは誰?
何でこんな事をしたのか。
それを聞きたかった。

「お前を刺した犯人は…

お、お前の母を恨んでいる人がいたらしくて。
そういう事したらしいぜ?」

…嘘言わないで。あなたの癖…分かっているんだから。
秋斗は嘘を付くとき…俯く癖がある。
…秋斗…何で嘘を付くの?そんなことも言えず…

「そっか。そうだったんだ。
じゃあもう寝るから。部屋に戻ってくれないかな。」

「ああ。おやすみ。」

扉が閉まると私の目から涙がポロポロと落ちてくる。
犯人が分からなかったからじゃない。
秋斗が嘘を付かれたから。
嘘を言う必要はあるの?
ねえ…教えてよ…秋斗。