「ああ!私のパン…!」


もう絶対ないー…!


昼食抜きかあ……


「何、昼食ないの?」


「うん。あ!はい。忘れちゃって…」


危ない危ない…。


敬語にするの忘れてた。


「敬語じゃなくていいよ。まあ、怒ってるけど、そこは許してあげる」



怒ってるけどって…。


「これ。あげる」


そう言って斎藤くんが渡して来たのは、さっきまで斎藤くんがずっと持っていた売店のパンだった。