「ちょっと瀬戸口君!!」


慌てて訂正しようとしたけど、もう遅かった。


窓際に溜まるクラスの男子たちが山内君を囲んで冷かしていた。


「浩介ーお前伊藤に好かれてやんの!」


「あんな口うるさい奴に告白されて、可愛そうだな」


口ぐちに言う男子たち。


山内君は困った様に頭を掻いていて、それは私には告白前から振られた様に感じて……


視界が真っ暗になった。


逃げ出したい。


足がガクガク震えて持っているホウキがないと倒れそうになる。


じわっと涙が滲んだ。その時……