「あ」 「え、何?」 階段を半分くらい降りたとき思い出した様に呟いた本田君の声に大袈裟に反応してしまった。 くるって振り返って目があう。 あ、前髪以外と短いんだなぁ……。 「伊藤ってさ、幼稚園一緒じゃなかった?」 「え?本田君、どこ?」 「春山」 「あ、私も春山幼稚園だ」 今から5年くらい前に通ってた春山幼稚園はここら辺でも結構大きな施設で、クラスの数も5クラスほどあったと思う。