「ふう、……大丈夫?」
和やかな空気に落ち着いた声が耳にとおる。
心配気に私を見る本田君に私は微笑んだ。
「うん、大丈夫。来てくれてありがとね、さっきは……ごめん」
さっき、教室であったことは私だけじゃなくて本田君も傷つけた。
首を横に振って本田君はにっと笑う。
「謝んなよ、別に気にしてないし!」
「でも迷惑だったでしょ」
「いーや、言わせとけばいいんだよ。……っていうか、その、俺こそちゃんと言い返せなくてごめん」
苦笑いで謝る本田君に私は慌てて声を出す。
「そんなことない!あの時、本田君が来てくれて嬉しかったもん」
「伊藤……」