二つの影。


いつも隣に立つと少し私の方が大きい影。


でも今は、同じ。


……座ると同じなんだな。


何だかそれが可笑しくて、不思議に思えて、子供の私はじっと影を見詰めていた。


そんな私に気づいて本田君も影を見る。


いつもは凸凹なのに、って思うと同じ高さの黒い模様に不思議と笑みが零れる。


それは本田君にも伝染して、静かな空気に二人の小さな笑い声が広がった。