低い声は静かな部屋の中に大きく響いた。


アスラは何も言えずに、ただイフリートを見つめる。

――昨日会ったばかりのアスラに、イフリートがなぜここまで言うのか、アスラにはわからなかった。


やっとのことで「……好きにすればいい」と言ったアスラに、イフリートはただ無表情に頷く。


「……あ、そういえば」


「なんだ」


「いや、大したことじゃないんだけど。


昨夜、あれからどこに行ってたんだ?」


黙っているのも気まずかったので、アスラはすこしだけ気になっていた疑問を口にした。