イフリートがどこの王に仕えているのか、その王がどういう目的でこんなことをするのか。
そんなことはもう、どうでもいい。
「……もういい。ここに居座るつもりなら、勝手にしろ」
ため息を一つついて、アスラが言うと。
「おまえの許可がなくてもそうする」
憮然とした態度でそう言って、アスラを見下ろす。
「一つ言っておこう」
「……なんだよ」
「おまえは、私を臣下とすることを何故か頑なに拒むが、それだけは変えられん。何があっても、だ」
顔が不機嫌なのは相変わらずだが、思いのほか真剣な眼差しで言われて、アスラは黙り込んだ。