呆れたように言うアスラに、イフリートは当然のように「そういうことだ」と答えた。


(それって、あたしに仕えてるんじゃなくて、その王に仕えてるんじゃないか……)


そう思って落胆した自分に、アスラは驚いた。


結局、なんだかんだ言って期待していたのだ。

イフリートは自分を見てくれている、と。

そんなことはあり得ないとわかっていながら、心の隅で期待していたのだ。


愚かな自分に嫌悪感が湧いて、アスラは完全に、イフリートを退ける気を無くしてしまった。


どうでもいいや。

そう思って、アスラは自嘲するように笑う。