「だいたい、なんであたしがおまえの主人なんだよ」
「そんなもの、こちらが問いたい。なぜこんな偏屈な小娘が、私の主人なのだ」
「じゃあ別のやつを主人にすればいいじゃないか!」
イフリートのあまりの口の悪さに、アスラは昨夜の恩も忘れて、魔人を睨みつけた。
「あたしだって、おまえの主人になりたいなんて言ってない。
あたしより主人らしい風格があって、頭が良くて、偏屈じゃない主人でも探せばいいだろ!」
アスラは噛みつくように言って、
どんな辛辣なことを言われても驚かないぞ、とばかりに、イフリートの返事を待ち構える。