side 京

「ふあー」
「なにお前、眠いの⁇」
「うーん…」
「んじゃあ、俺は帰…」
「待って‼︎」

立ち上がった俺の腕を掴むあず。

「なに」
「あ…え、っと…」

あずの顔が赤くなるのが分かった。

すげぇ真っ赤。

「もう少し…その、一緒に…」
「いたいのか」
「へっ‼︎⁇」

あずは慌てて顔を上げる。

「ん⁇」

俺は優しく微笑んだ。

「は、はい…」
「…いいけど…」

俺は再びあずの隣に座る。

「らしくねーな」
「はっ‼︎⁇」
「ほら。いつものお前ってこんなんじゃん」
「…別に」
「素直じゃねぇ」
「うっさい‼︎素直じゃないのは京君もでしょ」
「はいはい、素直じゃなくて悪かったな。俺はお前と言い合ってる気力今はない、悪いけど…」
「へっ⁇」

俺はそのまま横になる。

あずの膝の上に頭を置く。

「寝る」

なぜか知らないけど、その日はよく眠れた。