side 京

「んじゃあ後は桜宜しく。俺はあずを…」

って、陽と春樹に言った途中で、桜が隠れてることに気づいた俺。

「桜…」

見てたのかずっと。

「どうした⁇」

俺は桜に言う。

「え…うん…あの、ね⁇」
「ん⁇」

俺は少し目を細めて微笑む。

「っ…私…北見君のことが好き」
「…は、ん⁇」

一瞬、なにがなんだか分らなかった。

「でも…北見君には好きな人がいるんだよね」
「…さっきの、聞いてたの⁇」

俺は桜に言う。

桜はゆっくりと首を縦に下ろす。

「そっ、か」
「だから…気持ちだけ受け取ってくれないかな」
「え⁇」
「私北見君の事、応援してるよ⁇だから頑張ってっ」
「桜…」
「もう‼︎そんな顔しないでよねっ。ちゃんと伝えるんだよ⁇水樹さんに」

それだけ言って桜は何処かに行った。

それを見た川上先輩が俺達にお辞儀をし、桜を追いかけた。

「…やっぱな」

そうボソッと、陽が何か言ったのが聞こえた。

「なに⁇」
「いや、桜が好きなの…やっぱ王子と思った」
「は⁇」
「だから多分、初めからあいつは王子に頼んだんだよ」

…ストーカーのことか。

「…まぁ、どうでもいいけど」
「それは、王子にとってな」

…。

「でもまあこれで一安心だよね」

と、春樹が言う。

「まーな」

俺は春樹に言う。

「今日はいっぱいやっちゃいますかぁー⁇宴だ宴」
「誰がするかよ」
「酒飲まないし」

陽と俺が言う。

だけど今日は結局一旦帰ってまた集合って事になった。