side 京

「ほらっ‼︎追え‼︎」

陽は叫ぶ。

「いやいやなんで俺も⁇」
「王子しか叶わねぇって‼︎あんな距離じゃ‼︎てか、逃げるぞ‼︎」

俺達に気づいた奴がすぐに背中を向けて走っていく。

なんだあいつ。

誰だろ。

遠くて見えねぇ…。

「とにかく追うぞ。桜さんはここにいて⁇」

陽は言う。

春樹はもうすでに奴を追いかけに行った。

そう、その奴って言うのが桜を今まで追い詰めていた男だった。