side 梓

それからと言うもの。

「水樹さーんっ‼︎かたろーっ」

とか。

「水樹さん、お昼一緒い⁇」

とか。

「あっ、水樹さん‼︎もしかしてトイレ‼︎⁇私もなの‼︎」

とか。

もおー、なんなのー。

「梨花ちゃーん」
「どした」

梨花ちゃんは私の肩をポンポンと軽く叩く。

「なんか怖いよー」
「あぁ、桜さん⁇」
「うーん」
「狙われてたりして」
「へっ‼︎⁇」

なんで狙われるの‼︎⁇

「だって桜さん、北見の事好きでしょ。だったら近くにいる梓は邪魔だよね」

じゃ、邪魔…。

と言うか…えっ‼︎⁇

本当にあの子は京君が好きなの‼︎⁇

私の予想、まさかの的中‼︎⁇

え、でも…桜さんは私のこと、応援するって言ってくれたよ⁇

「いい⁇北見が好きなら絶対あの子の言葉に動揺するな」
「り、梨花ちゃん⁇」

梨花ちゃんは私の肩に手を置く。

「負けるなっ」
「あ、ありが、と⁇」

とりあえず、あの子は危険なのかな。

もしも京君の事好きなのなら、そうだよね…。

やっぱり、好きな人には自分だけ見て欲しいし、自分だけ特別な存在になりたいし、やっぱ…ほしくなるよね…好きな人は。