随分話長くなったな。

あず大丈夫かな。

俺は一応メールする。

ゆっくり教室に戻る。

今はなんか、気分が上がらなかった。

サッカー…そういや俺も昔してたっけ。

今日なんか、思い出した。

サッカーは、普通に好きだった。

でも俺は、まだあの頃はガキだったから

サッカーだけあれば良いと思ってた。

夢中になればなるほど、周りが見えなくなっていく。

自分勝手になっていく。

だから俺は、中二でサッカーを辞めた。

大体サッカーなんてただの遊びじゃん。

大人になってなにか役に立つわけでもないし、それなら周りを見て生きた方がいいかなと思った。

でも、正直一ノ瀬は尊敬する。

それ分かってて、それでも好きなことをするんだから。

俺には無理だ。

そこまでして自分のしたいことは出来ない。

結構迷ったけど、結局逃げてしまったんだよね。

自分の好きなことに。

でも、だからって今は後悔してない。

もしも今もサッカーをしてたら、きっとあずの側にいられなかっただろうし、こうやって、毎日一緒に帰ることも出来ない。

そして、そんなあずへの気持ちにも、気づかなかったと思うから。