side 梓

「え…」

か、彼女⁇

「ごめんね、北見君に告白なんかして。この事は忘れて⁇じゃあね」

と言った先輩はどこかに行った。

え、うん⁇

だけど…

私の気持ちは本当だよ⁇

京君は誰にも渡したくない。

渡せないよ…。

私、ずっとずっと好きだったもん。

「ありがとな、あず」
「あ、えっ、うん」

少しは、私の気持ちに…

「でもあず。そこまでしてくれなくても良かったけど⁇俺を渡さないとか」
「え…⁇」

なに、言って…。

「俺の事で一々力使わなくていっての」

と、笑いながらそう言う京君。

そっか。

「えへへ」

そうだよね。

私のこんな想いなんて…きっと一生気づかれないんだ…。

万年片思いだね…。

せめて少しは私に振り向いてくれても良いじゃん…。

それすらも、私達にはないんだね…。

「もうすんなよなー」

…辛いよ…そんなの…。

なんで⁇

なんで気づいてくれないの⁇

私はこんなにも、必死だよ⁇

京君が好きだよ⁇

他の人の気持ちは受け取るくせに、私はスルーなの⁇

そんなの、おかしいよ…

私は京君のなんなの…⁇

ただの幼なじみ⁇

…幼なじみなんて微妙な距離、いや。

もうやめたいよ…。

「あず⁇」
「えっ、うんうん‼︎そうだよねっ、京君を渡さないとかちょっと大袈裟すぎたよね。ごめんね」

私…笑えてるかな…。

「ちょっと、びっくりした」
「昨日のほら、委員会私のせいで遅れたのに京君が助けてくれたから、今度は私が助けてあげたんだよっ⁇」

私…なに言ってるの…。

「そっか。じゃあまあ、お互い様か」

そう笑って言う京君を見るのが私は辛いです。

結局…なにも伝わらなかった…。

伝わるどころか、かなり離れちゃった…。

この事がきっかけで私の心も…。

だけど私は…