side 京

「じゃあな、王子‼︎」

陽は相変わらず俺の事を王子と言う。

それに関してはもう、なにも言わなくなった俺。

言っても無駄だと言うことが出てる。

「お前らさ、25日空けとけよ⁇」
「「25日⁇」」

陽と春樹がハモって言う。

「霜月が前言ってたじゃん。カラオケだとかどうとかさ」

俺は二人に言う。

「カラオケね‼︎おっけい‼︎」

陽のテンションにはついていけない。

もうずっと一緒にいるのに。

「あー、そういやそんなあったな。なに⁇そん時に京は言っちゃうの⁇」

と、ニヤニヤしながら言う春樹の意味がわからなかった。

「ん⁇」
「だからっ。気持ちだよ、気持ち」
「え⁇」
「水樹さんー」
「な…なに言ってんだよバカ」
「素直になれよー」
「冗談じゃねー」

前言おうとして失敗した。

でも少しホッとした自分がいた。

なんでだろう。

好きと伝えるだけなのに

それだけなのに俺…

こんなに時間をかけて。

気づけばもう、年をあける。

「まっ、ちゃんといつか伝えろよー」
「男の意地、見せてやれっ‼︎」

春樹に続いて陽が飛びついてくる。

「あー、まぁ…その内な…」

だけどもう少しだけ…

時間がかかるみたい。

あずに気持ちを伝えるのは…。